俺たちの箱根駅伝

先日買った本早速読みました!

さすがの池井戸節とでも言いますか、読みやすかったし、面白かったです。

箱根駅伝ものと言うと、やはり三浦しをんさんの傑作「風が強く吹いてる」と比較してしまいがちですが、(あの小説は大好きで4回以上繰り返し読んでます)学生連合やテレビ中継というまた別の視点を織り交ぜながら、信念の物語としてぐいぐい読ませる力量。

ノーサイドゲーム」のような面白さにプラスして、「箱根」「駅伝」ならではのグッとくる展開満載で、改めて今の小説は「エンターテイメント」の要素が強いなあと感じました。

新刊で一冊約2,000円、映画一本見るのと、大差のない金額で、同等かそれ以上のハラハラドキドキがあったりします。

 

学生時代、東京に住んでいた頃。その時に、ふと思い立ち、仙川から箱根まで、自転車で向かったサイクリング。

深夜発でした。

今はわかりませんが、0時を回ってから自転車を漕いでいると高確率で「職質」されます。その時も道中2度、お巡りさんに止められました。

あとその時間帯自転車を漕いでいるとこちらも高悪率で、「流れ星」を見ます。流れ星って結構見れるんだとその時知りました。

そんなイベントを挟みながら、どれくらいかかったんでしょうか。明け方くらいに箱根の山のてっぺんにたどり着いた思い出。

そんな経験から、あの「坂」を登る感覚とか、意識した訳ではありませんが、箱根駅伝のコースと大体同じルートで、向かった道すがらの光景が忘れられず、お正月、その風景を見る度に、あの時の様々が蘇り、ランナーでもないのに、自分も箱根を走ったかのような記憶のすり替え。

帰りに間違えて、高速道路みたいな自動車専用道路に自転車で侵入し、肝を冷やした苦い経験(今じゃネットに晒されますね…)も込みで、思い入れの強い「箱根駅伝」です。

先週Netflixでみた映画の内容もあやふやなのに、そんな30年近く前のことは、よく覚えています。不思議。

 

トラックのタイムがロードのタイムと比例しない、「強さ」とは何かを問う命題、報われない努力、適材適所、仲間の元へ繋ぐ、襷。やはり「箱根駅伝」ものにハズレなし。