公演終了しました。

昨日10月9日をもちまして天体望遠鏡17回公演「アンブレラプロジェクト」4ステージ終了いたしました。ご来場のお客様大変ありがとうございます。

 

21年目にして初めて、目標来場者数を超える事が出来ました。

これは今回客演の役者陣と専門スタッフさんの参加が非常に大きかったと思っています。最初から最後まで外部の皆さんに助けられた公演だったと思います。

素晴らしい皆さんに参加頂いたおかげもあり、天体の役者陣もレベルアップ出来たのではないかと感じています。

 

ただ、私(川辺)に限って言うと、なかなか成長出来ず、見ないふりをしていた課題が浮き彫りになったと、落ち込みが激しいです。

 

広いはず、見やすく設計したつもりの舞台は、蓋を開けてみると、左右、上下で見えにくいスペースが生まれ結果、客席を広く使えず、見えにくいお席が多く出来てしまいました。

 

高校生にはあれほど「聞き取りやすさ」と言ったはずのセリフも、全体のレベルを平準化するまでの、演出ができませんでした。公演時間にもばらつきがありました。

私の力不足です。

 

なんらか、新しい取り組みが必要かもしれないと痛感しました。

 

頂いた多くの「お声」と、その行間を、想像しています。どんな言葉もありがたいです。

 

公演の内容につきましては、自分としては立ち上げたいモノが、こんなものが見たい、こんな事が聞きたいという事を、役者、スタッフが形にしてくれたと思っています。わかりにくさに関しては、申し訳ございません。

 

何かに手が掛かった気になると、何かを失う。これが私の限界かもしれませんが、まだ先があると信じて、次に向かいたいと思います。

公演終了後、2週間以上たたないと、本当の意味では、終わりましたと言えませんが、取り敢えず、公演は終了しました。ご協力頂いた皆様、ご来場のお客様、心から感謝いたします。ありがとうございます。

 

以下は需要があるか毎回不明ですが、パンフの言葉です。

 

ご挨拶

 

 本日は、連休中の大変ご予定の多い中、天体望遠鏡17回公演にご来場頂き、誠にありがとうございます。開場が開演の30分前ですので、公演予定時間70分、合計100分程度、何卒お付き合い下さい。

 

 昨年2021年の公演を持ちまして、天体望遠鏡20周年を迎え、気持ちも新たに今年21年目となります。

成人年齢の引き下げはあれど、やはり20才を過ぎてからが本当の大人…のような心持でもありますので、ようやく劇団として大人に、成熟した大人の内容がお届け出来ればいいのですが、三つ子の魂百までともいいますし、あまり変わり映えしないかもしれません。作風に変化が必要と思った時期もありますが、以前見たあんな話が好みだったのに…と思われる事もあると信じ、いつもの展開でお送りいたします。

 

 21才…自分に置き換えると、遥か昔のお話ではありますが、その頃私はまだ演劇をしていませんでした。

映画が好きで、同級生二人を誘い、自主映画を撮影2日で作ったのが丁度その頃です。誘いというか、授業中映画の台本もどきのようなモノを書いていたら、一人に見つかり、読ませたら悪い反応ではなかったので、「撮るか」みたいな、その時その場にいたそこまで仲良くなかったもう一人も成り行きで誘い「じゃ川辺家集合な!」大抵の事は「ノリ」で出来ちゃう時代でした。「今」はそうはいきませんね。

そこから映画を諦め劇団旗揚げまでの経緯は、またいつか書けたらいいですが。野外公演、一人芝居、土澤、東京…21年もやってるせいか、話のネタは尽きません。伝説と言う名の失敗がずらり。

(受付でこれまでの21年のいくつかの公演映像を販売中です。詳しくは裏面をご覧ください)

 

今回のお話は2005年に盛岡の「プラシーポ」さんいう劇団さんに提供した17年前の台本を加筆修正したモノです。図らずも「戦時下」が舞台です。今回の公演にあたり特段「時事」を意識したつもりはありませんが、どうしても切り離してみる事は出来ないかもしません。いつかこの台本を自分の手で演出してみたいと思いながら、タイミングの関係で17年経ちました。その間に大震災、コロナ、国と国との戦争。大きな無力感と価値観の対立。最初に書いた台本では想定していなかった「今」に対応できる修正は試みたつもりですが、それでも古さは拭えないと最初の練習の前、不安を感じていました。練習の積み重ねの中で今回の役者、スタッフがそれを乗り越えてくれたと信じています。

 

実は映画を断念したのは、一人では何も出来ないと身に染みたからです。「演劇なら自分でなんとか出来る」それ大変な思い上がりで、演劇こそ一人では何も出来ないと、痛感しています。みんな付いて来てるよね?

 

公演準備の為、実家の軽トラを借りるのですが毎回「なぜ、こんなにモノが必要なのか」(本当はもっと雑な言い方で)72の父に問われます。私は無言でキーを受け取り、エンジンをかけるとCDデッキから「兄弟船」が流れました。「オレと仲間のよ~夢の揺り籠さ」強いていうならそんな所じゃないでしょうか。

荒波に強い船を作りたいんです。その船で、お客様とこれまでより先へ行ってみたい。本当に海は丸く「果て」はないのか、この目で見たい。その為には今の所、私にはこの方法しかありません。

長くなりました。繰り返しになりますが、本日はご来場頂き、本当にありがとうございます。

来年も公演予定です。今日出来なかった事は次回挑戦します。今はこれが精一杯。

それでは開演まで今しばらくお待ちください。またお会い出来たらとてもうれしいです。 

 

作演出:川辺健